新しい文化の芽生え
室町時代は、足利氏が政権を把握し京都の室町で幕府を開いたことから始まりました。
1950年足利義満が京都の北山に「金閣」を建て、後に義政が東山に「銀閣」を建てました。したがって、両期の文化をそれぞれ北山文化、東山文化といい、特に北山文化は公家と武家の文化がとけ合ったことで注目されます。
また両文化ともに、新しく明の文化を受け入れたことで、独特の世界を完成させました。能楽・絵画・茶道・活花・建築・造園・工芸などのあらゆる芸術の分野で独自の気風が高まり、庶民の間でも明るくのびのびとした風潮が芽生え始めました。
この時代の文様は、比較的多く見られますが、やはり染織品の伝えられるものは多くありません。ただ、熊野速玉大社のおびただしい神宝類が平安以来の伝統的な染織美をうかがわせます。 |